小児 大百科

小児医療が抱える問題

小児脳死臓器移植

2010年7月に15歳未満の小児から脳死臓器提供を認める改正臓器移植法が成立しました。当時、大きなニュースになっていたのを今でも鮮明に覚えており、実際に自分の子供が臓器を提供する側、臓器の提供を受ける側になったらという想像をしてみたことを思い出します。

そして2011年1月ごろだったと思いますが、新聞で法改正後6件の小児脳死移植の打診が実際に行われて、臓器移植へと決断した家族は0件だったとの記事をみました。この6件の中の1件なのでしょうが、脳死状態にあると診断された2歳女児の両親は葛藤の末、愛娘の臓器を提供しないことを選びました。

いや、提供出来なかったと言った方が正確でしょう。その時の両親は臓器移植は、ほかの子供のためになるとは思います。それでも提供に踏み切れませんというコメントをしている。もちろんこの両親のコメントは子供を持つ親として痛いほど理解できる。

そんな中、2011年4月に国内で初めて脳死判定を受けた15歳未満の臓器提供移植が実施されました。心臓は大阪大病院で拘束型心筋症の10代男性へと移植され、肺は東北大病院で肺動脈性肺高血圧の50代女性、肝臓は北海道大病院で先天性代謝性肝疾患の20代男性、腎臓の1つとすい臓は愛知県の藤田保健衛生大病院で糖尿病患者の30代女性、もう1つの腎臓は東京女子医大病院で慢性糸球体腎炎の60代男性にそれぞれ移植された。

いずれも手術は無事終了しています。いまだに、15歳以下の小児から行われる臓器提供には賛成・反対など多くの議論がされているが、この両親の決断は小児移植の議論とは別として最大限尊厳されるべきだではないでしょうか。

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